フランスの懐の深さと希望を理解する、ドキュメンタリー映画『バベルの学校』

最近観たドキュメンタリー映画に『バベルの学校』というものがあります。フランスのドキュメンタリー映画なのですが、昨今ニュースにもなっている“移民”に関することがことがテーマの作品です。

この映画自体はヨーロッパへの移民や難民が急増する前の作品ですが、フランスの移民政策の一端がわかるものです。

映画の舞台はフランス語を第一言語としない移民の子どもの中学における「適応クラス(classe d'accueil)」の日常を描いたものです。ここで通常の授業に差し支えない程度のフランス語レベルとフランスの価値観について勉強します。(移民法のフランス語の習得と共和国の価値観の理解の義務に則したもの)

ここで興味をもったのが、どの生徒もフランスに来る前のバックグラウンドは全く異なり文化的、宗教的な違いに自信をもって生活しているということです。クラスの中で意見の相違はあるのが当たり前で、それを臆することなくこれが自分なんだと主張できる姿に子どもながらに強さと自信をもっている、またそれを否定することなく違いを認め、融合に導く先生の姿勢にフランスの寛容性を垣間見た気がします。

報道でみるテロや移民排斥は両極端なフランスの姿として私達の目には映るのですが、一方では移民も社会の一員として共存していこうとする器も持つフランスの社会に希望が持てます。

その意味でも4月に行われるフランス大統領選挙は大きな関心事です。ヨーロッパ諸国がそのままお手本になるとは思わないけれど、多文化の共生という観点では日本も自分事として意識していく必要があるなと思わずにはいられません。

『バベルの学校』 作品情報

原題: La cour de Babel

監督: Julie Bertuccelli ジュリー・ベルトゥチェリ

制作:2013年 フランス